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バックのコバってなに?
革製品の切り口のことを言います。
漢字で書くと木端と書きます。所説では革の裁断面が木の切れ端に見えることからつけられたからだと言われています。
コバの処理を行わないと強度的にも耐久的にも、見た目的にも問題が出てくるので大多数の革製品ではコバ処理が行われています。
コバ処理にも種類があり
- コバ磨き
- コバ塗り
- ヘリ返し
今回はこちらを紹介していきますね!
3種類のコバ加工
革を使ったバックや小物のコバ部分は見た目をより綺麗に整えて製品化するのが一般的です。
一部の革製品には「切り目仕立て」といったコバを隠さず、むしろその状態を活かしてデザインされたものもありますが、コバをそのままの状態にしておくと革の繊維がほつれてしまい革と革の張り合わせ部分の割れや、コバが黒ずんだりします。
コバ磨き
コバを磨く処理のことを指します。切りっぱなしのコバは羽毛だっていてゴワゴワした見た目と手触りとなっています。
切り口を薬剤などで彫刻刀、やすりなどで磨き上げていく手法となります。
切れ端を薬品で引き締め、磨きまた薬品を塗り込むという作業を何度も繰り返し、作業の行程中に革を乾燥させる必要があるため、とても手間がかかる作業となります。ですが、コバ磨きは最も自然な仕上がりとなるため、職人さんのこだわりが見える作業となります。
コバ塗り
革の切れ端、切り口、断裁面にニスや染料、顔料等でコーティングを行い、コバを滑らかに仕上げる手法がコバ塗りとなります。コチラも職人さんの腕が顕著に表れる事が多くムラが無くコーティングが均等に仕上がっている製品には職人さんのこだわりが見えます。コバ塗りはとても上品かつつややかな仕上がりになります。
ヘリ返し
最後の手法はヘリ返しです。薄くすいた革を、端っこでくるっと巻き込んでいて縫製するコバ処理の手法です。
ヘリ返しの特徴は同じ革素材が裏地にも見える為、色や素材的に統一感が出てまとまった印象が与えられる事です。裏地に隠れてしまうため、外観だけ見ると差はありませんが自分で使用する際にはとても愛着が生まれる手法となります。
コバ処理をしないバックの品質
デザイン的な観点からコバ処理しない商品も多数あります。
ベルト等の場合、裁断したそのままの状態でも断面が太く強度が保たれるため、こういった商品もあります。
しかし、お財布やバックのコバの場合、非常に薄くて何枚もの革を重ね合わせていることがほとんどなのでコバに何らかの処理を施していないと強度的に問題があるのです。
コバを見ればそのお品のクオリティが分かるといっても過言ではありません。
コバは品質を図るバロメータなのです。
コバの仕上げ方に正解はなく職人の数だけあると言われています。
そういった部分だけに職人は自分の技術とこだわりを表現できるのです。
コバ修理の金額は?
お店で修理してもらうとクオリティは高いですが費用が発生します。
お店によって価格に差はありますが一般的にこれくらいは見ておいた方がよさそうです。
コバ塗り修理 | 金額 | 修理期間 |
持ち手(平手) | 1500円~ | 約14日間前後 |
持ち手(丸手) | 1500円~ | 約14日間前後 |
ショルダー | 1500円~ | 約14日間前後 |
本体フチ周り | 1500円~ | 約14日間前後 |
修理範囲や時期によっても預かり期間が変わってくるのでお店に依頼する場合は一度お問い合わせしたほうがよさそうですね。
コバ処理は自分でできるの?
長く使用しているとどうしても革の断面が見えてきたり、コバの塗料がはがれてきたり割れたりしてきます。
これは製品の性質上避けられません。
修理に出す事はもちろん可能ですが、自分で修復することも出来るのです。
チャレンジしてみたい方はコチラをご用意ください
- コバコート(ホームセンターやネットで購入可能です)
- 綿棒、つまようじ
- やすり(耐水紙やすり800番くらいの荒くないもの)
作業方法はこちら
- アルミカップ等にコバコートを入れる
- 綿棒にコバコートを取り塗っていく
- 乾燥させてから再度塗るを繰り返す(薄く塗ると乾きが早いです)
- 乾いてからならす程度にやすりをかける
コバコートが乾いてからやすりをかけるところがポイントとなります。
綺麗に塗れていても凹凸が出来てしまったりするのでやすりかけをし滑らかにするとより馴染むと思います。
また修理する部分のみに行うとその部分のみテカってしまい、逆に目立つので他の部分も塗る事をおすすめします。
修理に出してプロに頼むと綺麗に仕上がると思いますが、自分でやってみると意外と簡単で、短時間でそれなりに出来るものなんです。
コバ周りがきれいになるとバックの見た目がキリっとした印象になります。
長年愛用しているバックのコバがほつれてしまっている方は一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
同じバックを使っていると持ち手(ハンドル)が傷んできます。場合によっては塗装が剥げてしまったりすることもあります。経年劣化と言えばそれまでですがみすぼらしい印象を与えてしまいます。
そんな時、頼りになるのが革修理のプロです。プロに頼むと自分ではできない完成度の高い仕上がりになるので大切なバックであれば利用したいところです。
コバは革製品の中では耐久性の低い箇所にはなるのでコバ塗りを行う事で強度を増す事が出来るのと同時に上品に仕上げる事が出来るのです。
コバ塗りを施して大切なバックを長く愛用してくださいね。
コバと似ているパイピングの修理はコチラを参考にしてください!